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March 25, 2015

地球交響曲第八番

1992年に公開された第一番から20年以上の月日がたち、2010年に公開された第七番からは5年ぶりの完成となる最新作の地球交響曲第八番。毎回、ガイアの声を届ける役割を担う人たちを数人、インタビューし、美しい映像とそれぞれからのメッセージがオムニバスで届けられるドキュメンタリー映画だ。
登場人物は違えど根底に流れるテーマは「地球はそれ自体が一つの生命体である」というガイア理論。作品からは「地球(ガイア)の声がきこえますか?」という投げかけがひしひしと伝わってきて、環境問題や日本人としてのアイデンティティに静かな警鐘をならしている。
そんな「地球交響曲」の上映を通して、全国に大きな感動と共感の輪が広がり、自主上映だけでも240万人以上の観客動員数になったというロングラン作品。
待望の第八番の公開がシネマライズで始まった。一緒に見たいと思う友達4人で日時を決め、さっそく見に行ってきた。その日は上映後、龍村仁監督とナレーションの榎木孝明さんのミニトークもあるというスペシャルな一日。
今回は特に震災後、初めての作品だけに龍村仁監督がどのような思いで製作されたのだろうと、公開がとても楽しみだった。
第八番のテーマは「宇宙の声が聴こえますか」。
今回、ガイアの声を届けてくれたのは「樹の精霊に出会う」というキャプションで人間国宝の能楽師梅若玄祥、能面打ちの見市泰男、天河弁財天の柿坂神酒之祐宮司。
「樹の精霊の声を聴く」というキャプションで東日本大震災の津波で流された楓や松で津波ヴァイオリンを製作した中澤宗幸、ヴァイオリニストの中澤きみ子。
「心に樹を植える」というキャプションでNPO森は海の恋人理事長の畠山重篤、その息子の信が登場する。
それぞれが大きな自然災害後の絶望の中でどのように再生していったのか・・・それぞれの物語を紡ぎながら、畏れと美と智恵と勇気とが交差し、私たちに一つの生きる方向を照らしていってくれる。
樹には古代から精霊がひそんでいると言われているが、龍村監督は樹というものはもしかしたら宇宙の意志を地球で体現しているのかもしれないと語る。だとするならば、樹の精霊の声に耳を傾けることは、地球の声を聴くことになる。
私の大好きな天河弁財天の宝物庫に眠っていた「阿古父慰」という国宝の能面。世阿弥の息子元雅が父息子で都を追放された時、自らが彫った能面をつけて天河弁財天の能舞台に立ち、その後、奉納されたものだという。
震災後の秋、紀伊半島大豪雨の被害を受けた天川村では弁財天の聖域もかなりの部分が土石流に埋まってしまった。その災害の直後、国立能楽堂で世阿弥父息子の悲話を題材にした新作能が創られることになり能面の復刻が始まった・・・そこから今回の物語が展開されるのだが、どの場面でも登場人物たちは自らの役割を全うし、樹をテーマに命のバトンが連綿と受け継がれていく。
津波で流された樹でできたヴァイオリンが完成し、明治神宮に演奏が奉納されることになった。映画はその演奏がラストシーンにあてられているのだが、美しく重なる音色を聴きながら涙が止まらなかった。
死と再生。命には限りがある。でもそこに思いというものがある限り、命はつながっていくのだ。そしてそんな精霊や自然界の営みをいつも身近に感じ、目に見えないものに対しても畏れ敬い感謝することのできる日本人の精神性を忘れてはいけないなと思った。
今、この時代に日本人として生まれてきてよかった。

地球交響曲第八番、本当に素晴らしかったです。一人でも多くの日本人に見てほしいです。
忘れてはいけないもの、大切にしなくてはいけないものを思い出させてくれる作品でした。
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