とよふくさんの眼鏡
眼鏡を新調した。風楽にも来ていただいたことのあるお客様がやっていらっしゃる佐倉の「とよふく」さんだ。なんでもここのメガネをかけると目が良くなるという評判のめがね屋さんなのだ。スタッフの方は眼鏡認定士という専門の資格を持っていらっしゃる。
私自身、自分の老化を一番強く感じるのは目と歯だ。昔から本が好きだし、パソコンに向かうことも多い私は最近、特に視力の衰えを感じていた。「老眼鏡」という名前に抵抗を感じ、ずっと買わずに我慢?していたのだが、つい2年ほど前からお世話になり今ではバックの中や寝室、キッチンなどあちこちに置いている。
でも作ったはいいが、安い眼鏡のせいか、どうにも使い勝手が悪いし、ますます視力は衰えていくような気がしてならなかった。ちょうど知り合いがとよふくさんで眼鏡を作ってよかったという話を聞いたので、やはり私もちゃんとした眼鏡を作ろうと決心したが、とても信頼と実績のあるお店なので検眼の予約は3ヶ月待ち。
そして今日、ようやくお店に行くことができた。
まずは手持ちの眼鏡の度数を調べて、その後に検眼。これがだいたい1時間ちょっと。最初はこわばっていた私の目を緩める検査から始まって、それ以降、たくさんのレンズを入れ替えながら私の目に本当に合ったものを選んでいただいた。
その後、そのレンズをかけたまま歩いて外に出て、しばらく周囲を見る。風景の見方はどうですか?と聞かれた。最初は窮屈な感じがした。そして何が違うのかわからなかった。でも時間がたつうちに風景には遠近感があるんだなと改めて気が付いた。
お店の方が言うには、私の目はある一定以上がもう見えないので、目が見ることを諦めてしまっている状態だったという。そして見たいもの一点だけを凝縮してみるという癖がついてしまった。それが首や肩のこわばりにもつながり、さらに進むと脳の疾患にまで及ぶ可能性があるという。
結局、見えないことに慣れすぎていて、いつのまにか全体を見ない習慣がついてしまったようだ。「木を見て森を見ない」という言葉を思い出した。
目の使い方というのは脳の使い方と同じだから、自分の生き方(感じ方)にもつながっていくのだろう。
とよふくさんの眼鏡の作り方はただよく見えることだけを追求しない。体に負担がなく、調和のとれた状態で世界全体を見ることと一点を集中して見ること、それぞれができる状態に調整してくださるのだ。
ある一点しか見ようとしていない、都合のいい部分だけしか見ようとしていない・・・目という器官の習性から、暮らし方にも通じるものを感じ、世界はこんなにも広がりと奥行きがあるものなのだなと改めて感じた。
今はほんの数千円でフレーム込みの眼鏡が作れてしまう時代だ。簡単な検査で数時間後には眼鏡が買える。そんな格安眼鏡を使っていたから、多少の不便は感じても、まあ、そんなもんかと思っていた。そして何よりそれしか知らなかった(なんと手持ちの眼鏡は私の目には合っていなかったようだ)。
目は感覚器官として最も繊細で重要な働きをし、脳と直結している。そんな大切な目に対して、今まで随分、安易で無責任な対応をしてきたものだなと反省した。
検眼の後、レンズと顔に合ったフレームをアドバイスしていただきながら選び、2週間ほど待ってようやく眼鏡が出来上がるそうだ。安売り眼鏡店とは全く異なる時間をかけた丁寧な眼鏡の作り方。
眼鏡そのものも決して安くない。私にしてみたら清水の舞台から飛び降りる覚悟?!で注文した眼鏡だけれど、後悔はなかった。
一連の検査が終わった後、お店の一角でマクロビのランチを(検眼に来た方のみ)いただいた。とても心のこもった美味しいお食事だった。単に目だけではなく、体全体の健康、そして人としての生き方、全てを大切にしているお店だからこそ、量販店が多い中、未だにたくさんの信頼を集め、お客様も途切れることがないのだろう。
2週間後にできあがる眼鏡がとても楽しみだ。私の世界観が変わるかも!?
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